エラスチンとコラーゲンの関係

エラスチンとは

エラスチンは、タンパク質に分類されます。その中でも、「硬タンパク質」に分類されます。硬タンパク質は、エラスチンの他にコラーゲンや髪の毛や爪などの「ケラチン」などがあります。

エラスチンやケラチンは、繊維状タンパク質で水や塩溶液、有機溶媒や弱酸・弱アルカリなどのほとんどの溶媒に溶けない不溶性の性質を持ちます。

エラスチンとコラーゲンの関係

エラスチンの役割

エラスチンは、骨と骨を繋ぎ関節を形作る靭帯(じんたい)に多く含まれます。最も多いのは「項靭帯(こうじんたい)」と呼ばれる頭を支える靭帯で、約78~80%がエラスチンから構成されます。

人類特有の大きく思い頭を支えるという重要な役割を担っています。

その他にエラスチンは、動脈や肺、皮膚などでも重要な役割を担っています。

動脈では、乾燥重量の約50%がエラスチンで、血管の真ん中にある中膜でコラーゲンと共に存在して動脈の強度と弾力性を担っています。

肺では、約20%がエラスチンでできており、コラーゲンと共に存在して、肺がパンクすることなく伸縮し呼吸できる構造を担っています。

皮膚では、エラスチンが「真皮」の約2~5%を占め、コラーゲン繊維を結び付け束ねる役割を担っています。皮膚では、あくまでもコラーゲンをまとめる役割で、その隙間にヒアルロン酸も含み皮膚のハリと弾力を保つことをサポートしているのです。

エラスチンを増やす方法

エラスチンを増やす方法は主に3つあります。サプリメントで増やす、化粧品で増やす、医療で増やす方法があります。

サプリメントで増やす方法は、エラスチンが配合されている牛や豚の大動脈、カツオの動脈球などが原料になっている成分を摂取します。この方法は継続しやすく、コストパフォーマンスも良いので1番オススメです。

化粧品で増やす方法は、ビタミンC誘導体(アスコルビン酸など)、ビタミンA誘導体(レチノール)、幹細胞培養液、ナイアシンなど抗酸化作用の成分が配合されているもの化粧品を使います。肌のエラスチン生成を助けることが期待できます。

医療で増やす方法は、赤外線やレーザーを使用して筋膜にアプローチする医療治療です。真皮に熱を加えることによってタンパク質を変成し、真皮コラーゲンを活性化させる方法になります。

エラスチンの減少

皮膚はもちろん、血管や人体などで大切な役割を果たすエラスチンですが、コラーゲンと同じく加齢とともにその量も減少し劣化してきます。

エラスチンの代謝と老化

エラスチンの代謝には、エラスターゼをはじめとするタンパク分解酵素が関わり、ゆるやかにエラスチンを分解し、新しいエラスチンが線維芽細胞などでつくられます。

特に皮膚では、コラーゲンの生成とエラスチンの生成には密接な関係があると考えられ、コラーゲンの代謝が活発であれば、同時に必要なエラスチンも生成されると言われています。

ある原料メーカーの実験では、エラスチンペプチドを添加したときの繊維芽細胞数は、コラーゲン産生量が増加し、繊維芽細胞が活性化されたという発表もあります。

エラスチンとコラーゲンの違い

真皮のなかでコラーゲンが約70%を占めるのに対して、エラスチンは約2〜4%しか繊維成分として存在しません。

コラーゲンは、伸縮しない強度のあるタンパク質で、引っ張りに強い特徴があります。膠原(こうげん)繊維とも呼ばれます。

エラスチンは、ゴムのように自在に伸縮する性質が大きな特徴です。このような特徴から、「弾性線維」や「弾力線維」と呼ばれることもあります。

伸縮できるエラスチンと伸縮しないコラーゲンという違いのある繊維タンパク質同士を結びつけて網目状に構成されます。エラスチンがコラーゲンをしっかり結びつけることで、肌のハリが維持され、若々しい肌質を保つことができるのです。

一方で、エラスチンが不足すると、コラーゲンを結びつけるものが無くなってしまい、肌の弾力が失われ、シワやたるみの原因にも繋がってしまいます。

エラスチンの補給

エラスチンは、食事からは摂取しにくいタンパク質なです。コラーゲンは、ウナギやフカヒレなどの魚類、鶏肉や豚肉などの肉類など、日頃の食事でも摂取できます。

その結果、最近のサプリメントにはエラスチンを配合したものが増えているのです。しかし、コラーゲンと同様にエラスチンもタンパク質ですから、経口摂取で補給したからといって、そのまま皮膚などのエラスチン補給には直接的には繋がらないのです。

サプリメントを摂取して吸収されたエラスチンペプチドが、コラーゲン生成やエラスチン生成に何らかの作用をしているのではないかと推測されています。

エラスチンと食べ物

エラスチンは主に、弾力のあるものに多く含まれています。ハツや軟骨、手羽先などの食べ物からエラスチンを摂取することができます。

また、魚の心臓部分についている動脈球に、ものすごくたくさんのエラスチンがあるとされています。カツオの心臓などにも多く配合されています。

エラスチン サプリ

私たちが食べ物から摂取するエラスチンは、分子量が大きいため体内で吸収されにくいという性質があります。ですので、エラスチンを効率よく摂取するにはサプリメントを利用するのが賢明です。

現在、幅広く流通しているエラスチンサプリは、ブタの靭帯や魚の動脈球由来の物が多いです。魚の心臓部分(動脈球)に、たくさんのエラスチンがあることが研究で明らかになっています。

イスラム宗教や文化によっては、肉由来の食品がダメな場合もありますが、魚由来なら日本人の食習慣にも合い高い効果が期待されています。

エラスチンペプチドとは

エラスチンのサプリメントにはエラスチンペプチドが配合されています。豚の大動脈および血管からエラスチンを高純度に抽出したものです。エラスチンをペプチド化し水溶性にすることで機能性素材となります。

エラスチンペプチドを摂取することで線維芽細胞でのエラスチン生成が活性化し、コラーゲンを結びつけ肌に弾力を与えることができます。不足した状態になると、ハリがなくなってしまい、シワやたるみの原因となり肌が老化した状態になってしまいます。

あなたも是非、エラスチンを摂取し若々しい肌づくりと、健康で長生きできる体づくりを始めましょう!