コラーゲンの製造方法

コラーゲンペプチドとは

コラーゲンペプチドとは、ゼラチンを低分子化した物です。

よく「低分子コラーゲン」などという表現を目にしますが、あれはコラーゲンペプチドのことです。
「当社のコラーゲンは吸収を良くするために低分子化しました!」などという商品説明もコラーゲンペプチドです。

コラーゲンドリンクは、原料がコラーゲンペプチドでなければ出来ません。また、コラーゲンゼリーもコラーゲンペプチドをゼラチンでゼリーにしています。

つまり、コラーゲン配合サプリメントはほとんどコラーゲンペプチドが原料ということなんです。業界もあえて「コラーゲン」と表現し「コラーゲンペプチド」とはあまり表現していないのです。

ペプチドとは

ペプチドは、アミノ酸が50個未満2個以上のものがペプチドと呼ばれています。一方で、アミノ酸が50個以上結合したものがたんぱく質と呼ばれます。

肉や魚由来の動物性たんぱく質から作られるペプチドの中には、脂肪の燃焼作用や抗酸化作用の効果を認められるものが見つかっており、また大豆などの植物性たんぱく質のペプチドの中には、コレステロールや血圧上昇の抑制作用などがあるものがあり、サプリメントやドリンクとして販売されています。

このように近年ではペプチドの生理活性作用が注目を集めています。

コラーゲンは繊維状のタンパク質

コラーゲンは大きなタンパク質であり、1本の分子量が約10万の繊維状のタンパク質が3本集まって螺旋の鎖構造になり、

更にその繊維が多数集まってより強い繊維として私たちの肌や血管、骨や関節などの構造を維持しています。

多くのタンパク質は水に溶けた状態ですが、コラーゲンは水に溶けた状態ではなく、繊維状か膜状になっています。

一般的なタンパク質は、細胞の中に存在するのに対し、コラーゲンは細胞の外に存在します。コラーゲンは細胞間を埋めるように存在しているのです。

コラーゲン

 

 

 

コラーゲンとゼラチンとコラーゲンペプチド

コラーゲンは、タンパク質の一種で体を形作る皮膚や骨などに多く含まれ、生命の根源ともいえる成分です。繊維状のタンパク質が3本集まって、螺旋の鎖構造をしています。肉などを食べてもそこに含まれるコラーゲンは、生のままでは人間の消化酵素や体温ではほとんど消化できません。ですから、煮たり焼いたりして加熱することでコラーゲンがゼラチンに変性して消化できるようになります。また、魚のコラーゲンは変性温度が人間の体温より低いことから、生で食べても消化できるのです。

そのゼラチンは、コラーゲンに熱を加えて変性させたものです。この「変性」とは、絡み合った3本のアミノ酸鎖がほどけることを指します。コラーゲンのアミノ酸鎖がほどけたゼラチンは、水にも溶けますし消化できるようになります。その特性として加熱すると水に溶け冷やすとゲル化して固まり、昔から料理やお菓子などに広く利用されています。

コラーゲンペプチドは、コラーゲンが熱などによって変性してゼラチンとなり、そのゼラチンを酵素分解で低分子化したものがコラーゲンペプチドです。吸収性も高く、ペプチドが持つ特性が健康に役立つ可能性があると最近の研究で言われています。

これらはコラーゲンの状態が変わっただけで、構成するアミノ酸の組成はほぼ変わりません。

平均分子量
分子イメージ
コラーゲン 動物の体を構成するたんぱく質で、アミノ酸鎖が三重螺旋構造を形成している 30~36万 コラーゲン分子
ゼラチン コラーゲンが熱などで変性され三重螺旋構造が解けたもの、冷えると固まり熱すると溶ける 数万~十数万 ゼラチン分子
コラーゲンペプチド コラーゲンまたはゼラチンを酵素分解で低分子化したもので、加熱しても冷却しても安定しているのでサプリやドリンクに使われる 数百~数千 コラーゲンペプチド分子

コラーゲンペプチドとサプリメント

コラーゲンペプチドが普及するまでは、ゼラチンをコラーゲンとしてサプリメントに配合していました。現在も、高分子コラーゲンという名称で販売されている商品がいくつかあります。

しかし、ゼラチンは「冷めると固まる(ゲル化)」という特性があり、サプリメントとして加工するには制約が多いわけです。

ですが、コラーゲンペプチドの状態の場合だと水に溶け、冷めても固まらないのです。その結果、コラーゲンのサプリメントを作ることが可能になったのです。

コラーゲンペプチドの製造方法

コラーゲンペプチドは、ゼラチンを酵素などで加水分解し低分子化する製造方法です。まず、高品質のゼラチンを作るため、「牛、豚の皮、骨、魚の皮、鱗」などを原料に使用します。原料を事前に処理してから、ゼラチンを抽出します。

細かく説明すると、まず原料からゼラチンを取り出しやすくするため酸やアルカリ処理を行います。その後に、酵素分解してから精製してコラーゲンペプチドが製造されます。

コラーゲンペプチドの種類

コラーゲンペプチドは、大きく「動物由来」「魚由来」に分かれます。これらのコラーゲンはいずれも原料の"皮"に多く含まれています。

動物由来のコラーゲンペプチドは、牛・豚・鶏などの動物の皮から抽出したものがほとんどです。一般的に、売られているものでは豚皮由来のコラーゲンペプチドが大半です。。

魚由来のコラーゲンペプチドは、主に魚皮由来とウロコ由来のコラーゲンがあります。両方ともⅠ型コラーゲンとなるので組成は同じですが、精製法の違いがあるため価格に差が出ます。魚皮の方が高価になる場合が多いです。

「魚由来は動物由来と比べて飲みやすく吸収率も7倍良い」という情報を見ることがありますが、あくまでもたった数例の試験管での比較試験の結果であり、人間が日常生活の中で食べて消化する場合には優劣の要因ではないと考えます。

コラーゲンペプチドの分子量について

コラーゲンの平均分子量は、おおよそ30万~36万で、ゼラチンは数万~十数万ですが、コラーゲンペプチドは数百~数千と非常に小さくなります。

その理由は、ゼラチンを酵素で分解し低分子化しているからです。その結果、ゼラチン以上に水に溶けやすくなり、冷めると固まる(ゲル化)ことが無くなるのです。

飲料に使用しやすく、多くのサプリメントに利用されています。吸収性も高まり、コラーゲンペプチドが持つ特性が健康維持や美容目的などに期待されています。

この平均分子量が小さい方が吸収が良くて効果がある、と思う方が多いようですが、コラーゲンペプチド摂取の作用目的はジペプチド・トリペプチドの血中濃度を高めて各部位のコラーゲン生成亢進であることから、平均分子量が大きくてもコラーゲンペプチドであれば、その差はないと考えられます。