コラーゲンの補給

「年齢と共にコラーゲンは減少しますから、サプリメントで補給することが大切です。」

年齢とコラーゲン量の減少

ということで、右のようなグラフが掲載されている広告をよく目にします。

そして、元データはある学者が発表したものですから、その出典も書かれていたりします。

ですから、初めて見ると「エッ!40%も減るの!?」と、驚く人も多いと思うのです。

このデータを発表した学者はきちんと説明していますが、これは「正常なコラーゲン」の量であって、「コラーゲン全体の量」ではないのです。

「正常なコラーゲン」とは、「劣化していないコラーゲン」のことで、このデータを発表した学者の定義によるものです。

皮膚や骨などを構成するコラーゲンは糖化や酸化などによって加齢とともに自然に劣化していきますから、ごく当然のデータです。

しかし、「そんなに減るなら、補給しなきゃ!」と思う方も多いのです。

そして、その広告のコラーゲンサプリメントを購入するわけです・・・。

コラーゲン自体の加齢による絶対量の減少は10%前後だということがわかっています。

同じ業界にいるものとして残念で悲しい気持ちになります。

このデータを自社が販売するコラーゲンサプリメントの販売促進に使う業者には2種類あります。

  1. 本当にコラーゲンがこんなに減ると思っている業者
  2. 正しい内容は知っているが、あえて勘違いを誘導している業者

1.は、お客様に商品を販売するプロとしては勉強不足で失格ですが、悪意はないわけです。

しかし、2.のケースはダメですね。

こんなことをするから、サプリメント・健康食品業者は怪しいと思われ批判され、本当に正しい事まで疑われてしまうのです。

コラーゲンを食べても補給にはほとんどなりません

コラーゲンは年齢と共にこんなに減るから補給してくださいというのは間違いです。

間違いだから「髪の毛を食べたら髪の毛が増えるか!?」と言われてしまうのです。

コラーゲンは「線維芽細胞」や「骨芽細胞」などの細胞内でアミノ酸や酵素などによって作られ代謝されるもので、コラーゲンを食べてそれが特異的に体内のコラーゲンンにはならないのです。

コラーゲンを食べて分解吸収されたアミノ酸がコラーゲン生成に使われることはありますが、それは肉や魚を食べても同じでコラーゲンサプリでなければならない理由はないわけです。

しかし、コラーゲンサプリメントやドリンクが美容と健康をサポートしているのも間違いではないようです。

そのキーワードは、実は冒頭のグラフにありますが、その点については今後少しづつ解説していきたいと考えています。