コラーゲンサプリメントやドリンクの市場は、競争が非常に激しいジャンルです。
だからでしょうか、自社が販売する製品を何とか差別化しようと商品説明や広告に力を入れます。・・・というか、入れ過ぎてしまいます。
特に、製品単価の高い魚由来の場合は、消費者にとって「なぜ高い方を買うのか?」という疑問に対して納得する理由が必要となります。
前回の説明した「変性温度」でも、冷静に見ていくと「コラーゲンの変性温度」と「コラーゲンサプリメントには既に変性後のコラーゲンペプチドが使われている」という矛盾があったわけです。
このような、意図的か知識不足かは別とした説明によって、消費者に間違って伝わっていることが他にもいくつかあります。
そのひとつが「脂質」と「カロリー(熱量)」です。
脂質やカロリーの高いものは、体の脂肪のもとになるとしてダイエットを考える人にはできるだけ摂りたくないものです。
魚由来のコラーゲンサプリメントの商品説明で、
「魚由来のコラーゲンは動物由来に比べて脂質が少なくカロリーが低い」・・・
と表現している広告をときどき目にします。
魚と豚肉では豚肉の方が脂質が多くカロリーも高いのですが、コラーゲンでは正しくないのです。
コラーゲンはタンパク質
そうなんですね、そもそもコラーゲンはタンパク質です。
ですから、もともとコラーゲンは脂質はゼロなんですね。
もちろん、魚でも豚でもです。
ただ、精製度が低いとごく微量の脂質が検出される場合もありますが、最近の国内で流通しているコラーゲンペプチドではほとんどありません。
そして、カロリーは他のタンパク質とほぼ同じく1gで約4Kcalです。
ですから、1日5gだと約20Kcalとなり、決して高カロリーではありませんよね。
また、「当社のコラーゲンサプリメントは脂質を取り除き低カロリーにしました。」というのも正確には正しくありません。
コラーゲンは、もともと脂質ゼロで低カロリーなんですね。