生コラーゲンという表現を時々目にします。
コラーゲンドリンクやサプリメントでも「生コラーゲン」という表現がありますが、主に化粧品のジャンルに多いようです。
コラーゲンドリンクやサプリメントで利用されているのは主に「コラーゲンペプチド」と一部「ゼラチン」です。
何度も解説してきましたが、コラーゲンを動物や魚から抽出するには、一般的には加熱などによってゼラチンとして抽出します。
ゼラチンでは冷えると固まり(ゲル化)加熱すると溶けるので、ゼラチンを酵素分解し低分子化することで安定した「コラーゲンペプチド」がサプリメントやドリンクに利用されています。
また、化粧品などに配合されているのも一般的には「ゼラチン」でした。
今では、コラーゲン(ゼラチン)を肌に塗っても浸透することはないことは良く知られていますが、以前は「コラーゲン配合」という表示があると という間違ったイメージもあったようです。
化粧品などへのコラーゲン(ゼラチン)配合の目的は「保湿」です。
生コラーゲンは3重らせん構造
コラーゲンは、20種類のアミノ酸がつながった鎖(ポリペプチド)が3本、らせん状に絡み合った線維状のタンパク質で「不溶性」です。
その絡み合った3本のポリペプチドがほどけた状態が「ゼラチン」で、可溶性となります。
化粧品に使われている「生コラーゲン」は、ヒトの皮膚にあるⅠ型コラーゲンと同じく、3本のポリペプチドが絡み合った状態のコラーゲンなのです。
そして、化粧品の原料として利用するには、らせん構造を維持したまま可溶性である必要があります。
そのために、原料メーカーでは、
という工程を約2カ月間も掛けて製造しています。
このように製造された生コラーゲンは、これまでのコラーゲン(ゼラチン)に比べて約2倍の保湿力があるということで、生コラーゲンを配合した化粧品は人気となっています。
サプリメントでの生コラーゲン
サプリメントで「生コラーゲン配合」とした商品は少ないのですが、いくつかあります。
調べてみましたが、化粧品で言う「生コラーゲン」ではないようです。
一般的な50mlのコラーゲンドリンクではなく、アルミなどのパッケージに300CCとか600CC入った液体のもので「生コラーゲン」という表示がありましたが、「低分子」も売りとしていていますので、「新鮮」というイメージ作りのために「生」を付けているようです。
この商品の公式サイトをくまなく見たのですが、法定表示が見当たりませんでした。
ですから、あくまで推測ですが、ミネラルウォーターにコラーゲンペプチドを溶かしたもののようです。
このように、サプリメントやドリンクでは新鮮とか安全というようなイメージとして「生コラーゲン」と表現しているだけのようですね。
ただ、以前紹介した「アテロコラーゲン」を配合したドリンクやサプリメントはいくつかありますので、「3重らせん構造を残したもの」ということでは「生コラーゲンサプリメント」と言えるでしょう。
以上、生コラーゲンについてでした。