コラーゲンの表現で「海洋性コラーゲン」としているものがあります。
海洋性ですから海の魚を原料としたコラーゲンペプチドのことですが、使用する魚の種類や使用部位が皮なのか鱗なのか骨なのか、また混合なのかによって原料の種類は多岐にわたります。
以前は牛由来か豚由来がほとんどだったゼラチンやコラーゲンペプチドの市場に魚由来の原料コラーゲンペプチドが出始めたころから使われている表現が「海洋性」です。
そして、その対義語となるのが「動物性」です。
その海洋性コラーゲンが出始めたころは当然まだ流通量も少なく、流通も製造設備も完成された豚皮由来に比べてコスト高であったため製品も高額でした。(現在もです。)
消費者は「高額=高品質」を期待しますから、安い動物性よりも高い海洋性コラーゲンがいかに優れているかを訴えなければなりませんでした。
反論を覚悟して言えば、動物性の粗捜しをして海洋性の違いをそのままコラーゲンの優位性に無理やり結びつ付けている説明が溢れたのです。
BSE(狂牛病)や鳥インフルエンザ・・・すでに市場は豚皮由来が主流であるにもかかわらず、動物性というくくりでデメリットとした表現が、多くの海洋性コラーゲン製品の商品説明に登場しています。
さらにひどい場合
???とか、由来原料に関わらず精製度に由来する「におい」についても とか、 ??とか・・・今でも見かけます。豚皮由来であれ海洋性(魚由来)であれ、コラーゲンペプチドは脂質はゼロですし、カロリーもどちらもタンパク質として同じく1g約4Kcalです。
そして、海洋性が動物性よりも優れている点として最も知れ渡っているのが「吸収性」です。
当サイトでは、その点について「コラーゲンの変性温度」で詳しく説明していますが、サプリメントに使用されているのはすでに変性したゼラチンを低分子化したコラーゲンペプチドです。
言い換えれば、コラーゲンペプチドの吸収性には変性温度は関係ないはずなのです。
ただし、消化されにくいヒドロキシプロリンとの結合ペプチドが少ない海洋性の方がアミノ酸としての吸収性は良いはずです。
ややこしくなってきましたが、コラーゲンペプチドやゼラチンはアミノ酸にまで消化されて吸収される部分と、ペプチド(トリペプチド・ジペプチド)にまでしか消化されずに吸収される部分があります。
ある論文によると、アミノ酸として70%前後、ペプチドとして20~30%とのことです。
この比率は、変性温度の低い海洋性と変性温度の高い動物性とでは確かに違ってくるはずです。
しかし、最近になってコラーゲンサプリメントのエビデンスとして台頭してきた学説によると、ペプチドの作用にスポットが当てられています。
ということは、吸収されるペプチドの比率が高いのは動物性であろうことから、変性温度が低い海洋性の方が優れているというのは矛盾するはずなんですね。
後発であり全体の流通量が少なく製造コストがかかり、どうしても原料単価が高くなってしまう海洋性コラーゲンペプチドの製品価格の適合性を、何とか品質にこじつけようとしたメーカーの苦悩がそこにみてとれますね。
今でも「都市伝説」的に間違って伝わっているコラーゲンの情報はまだまだ多いようですね。
人の胃腸は、コラーゲンサプリメントに含まれるコラーゲンペプチドを適切にアミノ酸とペプチドに消化して吸収してくれます。
においが無いかほとんど無く低価格で継続しやすいコラーゲンペプチド粉末を1日5g以上長く継続すれば、必ずやあなたの健康をサポートするでしょう。
この記事は少し長くなり、ややこしくなりましたが、質問などありましたらお気軽にご連絡ください。
以上、海洋性コラーゲンについてでした^^