コラーゲンには、その強度と弾性を確保するために不可欠なアミノ酸「ヒドロキシプロリン」とコラーゲン分子間の架橋に関与して細胞外マトリックスを安定化させている「ヒドロキシリジン」というコラーゲン特有のアミノ酸があります。
この2種類のアミノ酸は、細胞内でその他のアミノ酸によるタンパク鎖が形成された後で小胞体内でプロリルヒドロキシラーゼという酸化還元酵素によって付加されてコラーゲン分子になるという仕組みとなっています。
この酸化還元反応を補う還元剤として「ビタミンC」が必要なことから
と言われているわけです。ところが、このコラーゲンが完成する酸化反応には補因子として「鉄」も必要だということがわかっています。
鉄といえば、何と言っても体中に酸素を運ぶ血液の「赤血球」で、「ヘモグロビン」を構成する重要な成分であることはご存知でしょう。
この鉄分の推奨量は、男性で7.0㎎/日、女性の通常時で6.5㎎/日、月経期で10.5㎎とされています。
平成21年の国民健康・栄養調査では、男性は平均7.9 mg、女性は平均7.3 mgの鉄分を通常の食品から摂取していますが、月経期の女性については推奨量を充たしていないと報告されています。
このようなデータからもわかるように、女性では慢性的な鉄分不足の方が多いということで、案外お肌などのトラブルも「鉄」に鍵があるかもしれないのです。
鉄分の多い食べものとしては「レバー」や「青のり」「ひじき」などがありますが、レバーは嫌いな女性も多いようです。
ですから、鉄分不足をサプリメントで補給する女性も多いかと思いますが、実はコラーゲン生成にも役立っているのかもしれませんね。