今回は「高分子コラーゲンと低分子コラーゲン」について解説いたしますが、少しややこしいお話になるかも知れません。
というのも、
そもそもコラーゲンはタンパク質で、分子量は30数万前後の高分子です。
しかし、コラーゲンサプリメントを探していると「高分子コラーゲン」や「低分子コラーゲン」とされたものが見つかります。
これはいったいどういう意味なのでしょうか?
高分子コラーゲンはゼラチン
そうなんですね。
高分子コラーゲンとは「ゼラチン」のことです。
すでに、20数年以上前から販売されているコラーゲンサプリメントには、ゼラチンが配合されていました。
しかし、ゼラチンではお菓子や料理の素材というイメージですから、サプリメントとして販売するには「高分子コラーゲン」とした方が販売しやすかったのだと推測できます。
その後、アガリクスやフコイダンなど、いわゆる「免疫系」の高額な健康食品がブームになった時期には、高分子コラーゲンにもそのような効果がないか研究もされたようです。
そして、現在でも高分子コラーゲンの効果のひとつとして「免疫賦活」をアピールしているものも販売されています。
ゼラチンは、胃でアミノ酸やペプチドに消化されますが、その一部の分子構造が腸管免疫系に働きかけるとのことらしいのです。
ただ、あくまでもごく一部の学説でしかありませんが、今でも一定の愛好者がいて、私も一目置いています。
低分子コラーゲンはコラーゲンペプチド
もうお分かりだと思いますが、低分子コラーゲンは「コラーゲンペプチド」のことです。
コラーゲン自体が高分子で、ゼラチンはコラーゲンより低分子ですから、ゼラチンを低分子コラーゲンと呼んでも間違いはないのですが、サプリメントではコラーゲンペプチドを低分子コラーゲンと表現しています。
また、「コラーゲンペプチド」と呼ぶよりは「低分子コラーゲン」の方が市場の反応が良かったため、そのように表現したようです。
今でも「コラーゲンサプリメント」や「コラーゲンドリンク」と言い、「コラーゲンペプチドサプリメント」や「コラーゲンペプチドドリンク」とは言いませんよね。
さて、コラーゲンペプチドは、コラーゲンサプリメントが広がるための重要な素材として開発されました。
よく
などという表現を見かけますが、微妙に事実ではないのです。ゼラチンでは、水に溶かすためにある程度の温度に過熱しなければならず、冷えると固まりゼリーになってしまい、ドリンクにはなりません。
そこで、冷たい水にも溶けてゼリーにならない素材として、ゼラチンを低分子化したコラーゲンペプチドが開発されました。
そして、低分子化されたことによって結果として消化吸収も良くなったというわけです。
また、粉末のコラーゲンサプリメントの人気は安定して高いのですが、その理由は低コストで自分の好きな飲み物や食べ物に混ぜて摂取できることです。
これは、コラーゲンペプチドだからできることで、ゼラチンでは冷めるとゼリーになりますから、ゼラチンのコラーゲンサプリメントではここまでの需要にはならなかったでしょう。
以上、高分子コラーゲンと低分子コラーゲンについてでした。