
「植物性コラーゲン」という文字を時々見かけるようになってきましたので調べてみました。
コラーゲンは、動物の体や骨組を支える「アミノ酸の繊維(タンパク質)」で、動物の高度な進化の根源のようなものです。
コラーゲンがあるからこそ、丈夫な皮膚や強い骨が作られているのです。
植物では、グルコースという「糖の繊維(食物繊維:セルロース)」が植物の高度な進化を担ってきました。
「動物はアミノ酸の繊維」、「植物は糖の繊維」なんですね。
なのに、植物性コラーゲン?
調べてみると、サプリメントなどの食品では「植物性コラーゲン配合」というものは見つかりませんでした。
「植物性コラーゲン」の表示や説明がしてあるのは「化粧品」のジャンルですね。
そこで、植物性コラーゲンと謳っているものは実際に何なのか調べてみました。
人参由来

人参由来の植物性コラーゲンというものがありました。
人参から抽出される成分の中に「ビトロキシプロリン」というアミノ酸が含まれるらしいのです。
ヒドロキシプロリンは、コラーゲン生成の際にプロリンがヒドロキシ化された特殊なアミノ酸で、コラーゲン特有のアミノ酸です。
コラーゲンでは、このヒドロキシプロリンがコラーゲン繊維の結びつきを強くして弾力性と強度を担っていることがわかっています。
また、ヒドロキシプロリンが線維芽細胞の活性化をするという論文はありますので、経皮吸収できる構造になっていれば効果が期待できるのかもしれませんね。
大豆由来

人参由来の他にも「大豆由来」の植物性コラーゲンというものもありました。
大豆を発酵させて納豆のような粘性の高いタンパク質を作り、これも植物性コラーゲンと呼んでいます。
ネバネバ成分のもとであるグルタミン酸や大豆に多いとされるイソフラボンの効果を言っていますが、これらも皮膚からでは角質までにしか浸透しません。
しかし、粘性がありますから保湿には良いかもしれませんね。
アーモンド由来

たぶん、あるひとつの化粧品だけのようですが、「アーモンドコラーゲン」というものがありました。
原料には「加水分解アーモンドタンパク」と書かれていましたが、なぜコラーゲンなのかについては調べてもわかりませんでした。
タンパク質という点では、コラーゲンと共通していることは間違いないですね。
消費者心理
このように、動物性たんぱく質のひとつであるコラーゲンの定義から考えると、
これらの植物性コラーゲンはコラーゲンではないと言えます。
これらを配合した製品の正しい表示は、
- 人参由来は、
- 大豆由来は、
- アーモンドは、
と、このようになります。
これは、私の独断と偏見での推測ですが、「植物性」と「コラーゲン」という語句自体が消費者に対して購買意欲をそそる肯定的なイメージがあると考えて、こじつけたのではないでしょうかね。
以上、植物性コラーゲンについてでした。