コラーゲンと病気

コラーゲンは、サプリメントや化粧品に配合されて主に「美容成分」として高い需要があり、加齢による劣化の抑制や代謝の促進が期待されていますますが、そもそもコラーゲンは体のタンパク質の約30％を占めて皮膚や骨、血管や臓器に欠かせないタンパク質です。

ですから、コラーゲンに関係する病気は様々なものがあり難病指定となっているものもあります。

この項では、そんなコラーゲンの異常による病気について解説してみましょう。

まず、コラーゲンの異常とは具体的にどんな状態があるのでしょうか？

コラーゲンの減少と劣化に関わる病気

前記のグラフのように、正常なコラーゲンはピーク時に対して40才でも約40％も減少し、劣化したコラーゲンが増加します。

また、コラーゲン全体の量も10％～15％くらい減少し、これが自然な老化現象です。

そして、コーゲンの減少と劣化によって罹患リスクの高くなる病気がいくつかあります。

• 骨粗鬆症（こつそしょうしょう）
• 変形性関節症
• 動脈硬化・脳溢血（のういっけつ）
• 歯周病

などがあり、高齢化する日本では日頃の健康管理の重要性が高まっています。

コラーゲンの増加に関わる病気

一般的には、前項のように加齢によるコラーゲンの劣化と減少によってリスクの高くなる病気が多いのですが、以下のように何らかの原因によってコラーゲン繊維の増加することで発症する病気もあります。

• 肝硬変
• 肝炎が継続することで肝細胞の代わりに線維成分（コラーゲン）が増え肝臓全体に拡がった状態。
• 肺線維症
• 肺で活性化した線維芽細胞が線維化部位に集積しＩ型コラーゲンを大量に産生。

などがあります。

コラーゲンの遺伝子異常関わる病気

• 骨形成不全症
• I型コラーゲンの異常により生じる全身性の結合組織の病気で、頻回の骨折や骨変形を生じます。
• エーラス・ダンロス症候群
• 皮膚、骨、血管、内臓などに含まれるコラーゲンの生成や代謝に生まれつき異常があるために、皮膚の異常な伸展や脆弱性(ぜいじゃくせい)、靱帯や関節の弛緩、易出血性などを認める遺伝性の病気。
• マルファン症候群
• 細胞と細胞をつなぐ結合組織が弱くなるため、柔らかい関節、水晶体の偏位や亜脱臼、側わんや自然気胸、大動脈拡張や大動脈の解離、大動脈弁や僧帽弁の閉鎖不全などの症状が現れます。

などがあり、治療方法が研究されています。

以上、コラーゲンと病気についてでした。