Ⅰ型コラーゲン

コラーゲンの種類と言えば、サプリメントなどの製品の原料の種類として、由来生物や部位による分類もありますが、ここではヒトの体内にあるコラーゲンの種類について解説していきます。

現在、ヒトのコラーゲンの種類は30種類以上あることがわかっており、その分類はⅠ型Ⅱ型とローマ字を使用して分けられています。

また、その分子の線維性構造によって、大きく「線維性コラーゲン」と「非線維性コラーゲン」に分類されています。

Ⅰ型コラーゲン(線維性コラーゲン)

ヒトのコラーゲンの中で最も多いコラーゲンです。

Ⅰ型コラーゲンは、まず骨に大量に存在し約25%を占め、カルシウムなどの基礎として骨に弾力性と強度を持たせています。

また、皮膚の乾燥重量の約70%を占め、皮膚の真皮にも非常に多く、皮膚の弾力と強さを担っています。

Ⅱ型コラーゲン(線維性コラーゲン)

Ⅱ型コラーゲンは関節軟骨や骨端板、肋軟骨や気管軟骨、喉頭軟骨などを構成する硝子軟骨に多く存在します。

そのため、Ⅱ型コラーゲンのサプリメントが関節をサポートするとして販売されていますが、確かな科学的根拠はありません。

また、眼球の内腔をうめる透明なゼリー状の組織(硝子体液)の主成分です。

Ⅲ型コラーゲン(線維性コラーゲン)

Ⅲ型コラーゲンは、真皮や動脈壁、子宮壁や消化管壁に多く存在します。

Ⅰ型コラーゲンの存在する組織にはⅢ型コラーゲンも分布する場合が多いのですが、骨や腱では微量です。

また、細い網目状構造の細網線維を形成して、細胞などの足場となっています。

Ⅲ型コラーゲンは、創傷治癒の初期段階で増殖し、その後Ⅰ型コラーゲンに置き換わる事で治癒が進むといわれています。

Ⅳ型コラーゲン(非線維性コラーゲン)

Ⅳ型コラーゲンは、体表面や消化管などの上皮の下側で、その裏打ちをするように張る板状構造物の基底膜緻密層の主要構成成分です。

線維束を形成するコラーゲンと異なり、シートを形成する「膜型コラーゲン」と呼ばれています。

また、肝疾患による肝線維化のマーカーとしても用いられています。

コラーゲンの種類については、とりあえず以上とします。