コラーゲンの種類については「コラーゲンの種類」でⅠ型からⅣ型までを簡単に解説しました。
コラーゲンサプリメントで使われているのは豚や魚の「Ⅰ型コラーゲン」から変性したゼラチンを低分子化したコラーゲンペプチドがほとんどです。
しかし、「Ⅱ型コラーゲン」を原材料とするコラーゲンサプリメントもあります。
そこで、Ⅱ型コラーゲンについて解説してみましょう。
Ⅱ型コラーゲンとは?
Ⅱ型コラーゲンは線維性コラーゲンで、関節軟骨や骨端板、肋軟骨や気管軟骨、喉頭軟骨などを構成する硝子軟骨に多く存在します。
特に「軟骨」ではⅡ型コラーゲンが約20%含まれており、関節のスムーズな動きを担っています。
また、軟骨には「プロテオグリカン」という糖タンパク質も多く含まれ、Ⅱ型コラーゲンと共に軟骨基質を構成しています。
このプロテオグリカンの成分のひとつが「グルコサミン」と呼ばれるアミノ糖です。
このようなことから、関節をサポートするサプリメントとしてⅡ型コラーゲンやグルコサミンが使われています。
変性と非変性
コラーゲンで言う「変性」とは、加熱などによってコラーゲンの三重らせん構造がとけ、ゼラチンになることです。
ということは、非変性とはコラーゲン分子の三重らせん構造が解けないままのコラーゲンということになります。
サプリメントで利用されている非変性Ⅱ型コラーゲンは、鶏胸部軟骨や鮭の鼻軟骨から抽出されたものが主流です。
非変性Ⅱ型コラーゲンの消化と吸収
変性されたコラーゲンは、人の消化酵素でアミノ酸まで分解できますが、非変性のコラーゲンは消化できません。
ただ、鮭由来のコラーゲンは変性温度が人間の体温よりも低いため、食べた後時間と共に変性され消化されると推測できますが、コラーゲンペプチドと比べると吸収性は劣ると考えられます。
ですから、非変性Ⅱ型コラーゲンをサプリメントに使う理由はⅠ型コラーゲンペプチドと同様に「補給」ではないのです。
非変性Ⅱ型コラーゲンの特徴
非変性Ⅱ型コラーゲンは変性されていないということで、コラーゲンの分子構造がほぼそのまま残っています。
その分子構造の中に「エピトープ」と呼ばれる抗原の特性を決定づける抗原決定基があるといわれています。
抗原とは、免疫細胞上の抗原レセプターに結合し、免疫反応を引き起こさせる物質の総称で、非変性Ⅱ型コラーゲンが小腸で何らかの免疫反応を誘発するのではないかということのようです。
ただ、まだ
という確かなエビデンスにまではなっておらず、今後の更なる研究が期待されています。