
コラーゲンと血管
コラーゲンと血管には密接な関係があると知っていましたか?あなたが将来ずっと健康であり続けるためにも、コラーゲンと血管の関係性について知ってください。
コラーゲンの役割
コラーゲンは、皮膚や骨などの骨組となり、それらの強度と弾力性を担っていることは既にご存知だと思います。しかし、コラーゲンは「血管」でも強度と弾力性を担う重要な成分なのです。
血管は、主に「内膜」「中膜」「外膜」の3層になっており、コラーゲンは「中膜」に存在して血管の強度と弾力性を担っています。血管のコラーゲンが劣化し強度や弾力が失われてくると、高血圧になりやすくなったり、血流が悪くなり血栓ができたり動脈硬化を引き起こす要因にもなります。
さらに、一部の学説では、血管のコラーゲンの劣化によって、心筋梗塞や脳梗塞の原因でもある「アテローム性(粥状)動脈硬化症」が引き起こされるというものがあります。アテローム性動脈硬化症は、血管の内膜にLDLに含まれていたコレステロールや脂肪がお粥のような柔らかい沈着物(プラーク)となってたまっていき、内膜がどんどん厚くなります。
高血圧や糖尿病などによって血管に負担がかかると、血管の内皮細胞に傷がつき、内皮が持っている動脈硬化を防ぐ働きが失われるためだと考えられていますが、この学説ではコラーゲン劣化も原因だと解説しています。
加齢によってコラーゲン合成が低下すると、コラーゲンの新陳代謝が遅れるため新鮮なコラーゲンが供給されず血管内のコラーゲンは老化します。老化したコラーゲンは脆弱なコラーゲンとなるため架橋形成が促進され、架橋形成によって「ひげ状の繊維」ができます。
そのひげ状の繊維が傷ついた内膜から血管内に顔を出します。それがちょうどアイスクリームの芯棒のようになり、血液中の血小板やコレステロールがまとわりついて、プラークが形成されるという内容です。
血管のコラーゲンの種類(型)
私たちの体内で生み出される主なコラーゲンは5つあります。Ⅰ型コラーゲンは、体内で最も多いコラーゲンで、骨や皮膚の弾力性を保つ働きがあります。皮膚は90%がⅠ型コラーゲンです。Ⅱ型コラーゲンは、主に関節や軟骨に含まれています。眼の角膜や硝子体の成分にもなっています。Ⅲ型コラーゲンは、臓器や血管などに含まれていて、組織に柔軟性を供給します。Ⅳ型コラーゲンは、皮膚の表皮と真皮を繋ぎ合わせる役割があります。Ⅴ型コラーゲンは、血管、平滑筋などに含まれています。
この5つのコラーゲンの中で、Ⅲ型コラーゲンが血管に比較的多く含まれています。Ⅲ型コラーゲンは、Ⅰ型コラーゲンと共存していることが多く、肌がダメージから回復する時に瘢痕組織として使われます。また、血管壁にも見られ、弾力性を保つ重要な効果を担っています。
毛細血管のコラーゲン
毛細血管は、全血管の約99%を占めると言われ、皮膚をはじめとした身体中の細胞に酸素や栄養素を運んだりする役目を果たしています。毛細血管の働きにもコラーゲンが深く関係しているのです。
全ての血管はコラーゲンをはじめとした構成要素からなります。つまり、コラーゲンの質が落ちたり、量が不足してしまうと毛細血管が弱くなってしまうのです。コラーゲンを意識的に摂取して、毛細血管やリンパ管の血流を保ち、良好な体内サイクルをキープすることが重要になってきます。
血管の役割
血管は体中に張り巡らされて血液を循環させ、細胞への酸素補給と栄養補給、代謝物や老廃物の運搬、体温の維持、情報伝達物質のコントロールなど生命を維持するうえで欠かせない役割を担っています。血管に不具合が起こったり、損傷してしまうと、最悪の事態を招いてしまうかもしれません。ですので、血管とコラーゲンの関係性を知って、いつまでも健康な生活を目指しましょう。
コラーゲン代謝と血管
コラーゲンは老化したものが分解されて新しいコラーゲンが作られるという代謝サイクルとなっています。分解されたコラーゲンの代謝物はコラーゲンを作る細胞に情報を渡しつつ血液に乗り血管を通って肝臓や腎臓などに運ばれていきます。このように血管は不要となった老廃物を出してくれる手助けをしてくれる働きが期待されています。コラーゲン代謝が衰えることで古いコラーゲンが分解できなくなり、分解時に発生するペプチドを自分で作り出せなくなるため、細胞に新たなコラーゲンを作る命令も出せなくなります。
つまり、コラーゲンを摂取することで、血流を増やすなどの基礎代謝促進効果や肌、骨などの新陳代謝を促進する効果などが期待できます。
コラーゲン代謝とは
コラーゲンは代謝にかかる時間が長く、その半減期は約15年で軟骨や骨ではさらに長いということがわかっています。また、コラーゲン代謝は20歳をピークに代謝が悪くなってくると言われています。
代謝が衰えるということはコラーゲンやヒアルロン酸を作り出している線維芽細胞などの働きが衰えているということで、年齢を重ねるごとにその力も弱まり、コラーゲンの網目が緩んでしまいます。その結果、肌のハリが失われたりシワやたるみの原因になってしまいます。
血管の健康とコラーゲン摂取
血管を健康に保つためには、コラーゲンの摂取が欠かせません。しかし、どうやってコラーゲンを摂取すれば良いか分からなければ意味がありません。ですので、どのようにコラーゲンを摂取することが出来るのかをお伝えします。
コラーゲンの多い食べ物
肉類では、牛スジや鶏軟骨、豚白モツにコラーゲンが多く含まれています。しかし、日頃の食事で食べる頻度は少ないですよね。一般的に、脂が多いとコラーゲンも多いように感じる方が多いですが、コラーゲンはタンパク質のため脂質ではないのです。鶏肉はコラーゲンが多くカロリーは少なめですから、ダイエットが気になる方にはおすすめです。
魚介類では、サケやサンマの開きに始まり、魚にはコラーゲンが多いです。魚の皮と身の間にコラーゲンが多いので、皮は残さず食べることがオススメです。フカヒレやウナギの蒲焼に多くコラーゲンが入っていますが、どちらも高額な食材ですから日頃から頻繁に食べるという方は少ないはずです。ですので、魚の皮を食べる方が良いでしょう。
コラーゲンの目安摂取量
食事からの1日当たりのコラーゲン平均摂取量は1,900㎎とされ、コラーゲンサプリメントでは5〜10gとされています。私たちが普段食べている食生活では、明らかにコラーゲンの摂取量が不足していると言えます。
食事やサプリメントなどで摂取したコラーゲンで細胞に生成促進のサインとなるのはいくつかのジペプチドやトリペプチドですが、体内に吸収されてから約24時間経つとなくなると言われています。そのため、毎日摂り続けなければペプチドの血中濃度が維持できず、コラーゲンの代謝が遅くなっていきます。ですので、コラーゲンサプリでは毎日5g以上を継続することがオススメです。
コラーゲンの摂り過ぎは?
結論から述べると、「タンパク質の摂取制限を受けている方以外は問題ない」とされています。なぜなら、コラーゲンはタンパク質のひとつなので、かなりの量を食べたとしてもタンパク質として消化吸収されるからです。
しかし、何らかの疾患や体質によってタンパク質摂取制限がある人は控えた方が良いでしょう。
また、コラーゲン自体のカロリーは1gて4キロカロリーと低く、多めに摂取したからといって太るものではありません。コラーゲンで太ってしまうと言われているのは、十分なコラーゲンを摂取しようとして、カロリーの高い食材を多く摂ってしまうという所にあります。
ですので、コラーゲンサプリなどを上手く活用してコラーゲンを摂取することをオススメします。あなたも是非、健康的な未来と、若さを手に入れるためにも継続的に摂取していきましょう!
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