「コラーゲンは消化されるのか」不安を徹底解明

コラーゲンは体内できちんと摂取され正常に消化されるのか、不安に感じていませんか？あなたの不安を解消するために、徹底解説していきます。

コラーゲンとは

コラーゲンについてあなたはどのくらい知っていますか？どんな成分が入っているのか、体内のどの部分に当たるのか、体内にコラーゲンが入るとどうなるのか…などあなたが知らないコラーゲンの真実をお伝えします。

コラーゲンはどんな成分

ゼラチンの原料としても知られるコラーゲンは、皮膚や軟骨などを構成する繊維状のタンパク質です。人体にあるタンパク質の約30%を占める割合とも言われています。コラーゲンは3重らせん構造をしているため、伸縮性に富んでいると考えられています。一本一本の鎖は1000個ものアミノ酸が繋がって構成されており、分子間には様々な化合物で繋がり簡単にはほどけない構造になっています。

体内のコラーゲン量は、20歳頃から年齢とともに減少していきます。コラーゲンは様々な組織内で絶えず分解と新生を繰り返して、新しい肌の生まれ変わりをサポートしようとしますが、年齢とともに新陳代謝のスピードも衰えていきます。20代に比べて60代では約75％にまで減少すると言われています。

また、年齢とともにコラーゲンの質が低下するとも言われています。コラーゲンの質が低下すると、分解されにくくなり古いコラーゲンが残ってしまいます。その結果、代謝スピードが落ちて新しいコラーゲンがつくられにくくなります。そのため、肌荒れを起こしたり、骨や関節がもろくなると考えられています。

コラーゲンは体のどこにあるのか

コラーゲンは、主に皮膚や軟骨、骨の形状と機能を維持する材料となります。体内にあるコラーゲンの上記３つに焦点を当てて解説していきます。

まず、『皮膚』です。コラーゲンは、皮膚の乾燥重量と呼ばれる約75%を占めています。皮膚におけるコラーゲン繊維の構成は、皮膚の弾力性を維持するエラスチンと、潤いを保つヒアルロン酸の基盤を供給しています。

次に、『軟骨』です。関節の軟骨は、体重を支えたり、身体を動かす時のクッションの役割をする重要な役割です。この軟骨細胞は、細胞外マトリックスを生産しコラーゲンとプロテオグリカンから構成されています。コラーゲンは軟骨の70%を占めており、関節の潤滑剤としての役割もあります。

最後に、『骨』です。骨質量の90%を占めるコラーゲンは、カルシウムやミネラルの枠組みを供給しています。骨にカルシウムが必要なことは広く知られていますが、コラーゲンのしなやかさと、カルシウムの硬さがあることで折れにくく丈夫な骨となるのです。

体にコラーゲンが入るとどうなる

コラーゲンを摂取すると、体内でアミノ酸に分解されて吸収されます。体内に吸収されると消化管でアミノ酸、ジペプチド、トリペプチドなどに分解されて小腸で吸収された後、血液によって身体のいろいろな部分に運ばれていきます。そもそもコラーゲンというのは、たんぱく質の一種でアミノ酸が結合したものの総称です。この分子量と構成によって、コラーゲンペプチド、ゼラチン、コラーゲンと呼ばれ体内での吸収方法も違ってきます。

体内で吸収される場合は、細かく分解されます。これまで、コラーゲンはアミノ酸として分解されると言われていましたが、最近ではアミノ酸よりも少し大きなペプチドの状態でも、体内で吸収されると言われています。吸収された後は、体のすみずみまで届けられ、肌や関節、骨などの全身で活用されます。

食べ物からコラーゲンを摂取した場合、一度分解してから再合成する、といった工程を経る必要があります。しかし、コラーゲンペプチドの状態で摂取した場合は、分解工程を省くことができるため、吸収性が高く、美容や健康に良い結果を期待できるという研究結果もあります。

コラーゲンと消化

ここからは、コラーゲンと消化の意外な関係について解説していきます。コラーゲンは体内で消化されるのか不安に感じている方は、ぜひ見てみてください。

体からコラーゲンは生み出されるの？

私たちの体内にあるコラーゲンは、19種類の型があると言われています。体内から生み出されるもの以外にも、構造や原料の違う4種類のコラーゲンがあると言われています。

体内で生み出される主なコラーゲンは5つあります。Ⅰ型コラーゲンは、体内で最も多いコラーゲンで、骨や皮膚の弾力性を保つ働きがあります。皮膚は90%がⅠ型コラーゲンです。Ⅱ型コラーゲンは、主に関節や軟骨に含まれています。眼の角膜や硝子体の成分にもなっています。Ⅲ型コラーゲンは、臓器や血管などに含まれていて、組織に柔軟性を供給します。Ⅳ型コラーゲンは、皮膚の表皮と真皮を繋ぎ合わせる役割があります。Ⅴ型コラーゲンは、血管、平滑筋などに含まれています。

一方で、体内で生み出されないコラーゲンは4つあります。それが、ゼラチンコラーゲンペプチド、トリペプチドコラーゲン、アミノ酸混合物です。

皮膚コラーゲンを生み出す細胞とは

皮膚コラーゲンを生み出す細胞は、『線維芽細胞』と呼ばれています。線維芽細胞は、皮膚の真皮にありコラーゲンを生み出したり、肌に弾力性を与える細胞です。この細胞が活発でなければ、肌の構造が弱くなってしまい老化の原因となるのです。

線維芽細胞よりも血管に近い場所には、真皮幹細胞という細胞があります。この細胞は、様々な細胞に変化したり、分裂してコピーをつくり出す機能を持ち合わせています。真皮幹細胞は、ダメージを受けた線維芽細胞に変わって、新しい線維芽細胞を生み出すことができます。新しい線維芽細胞を生み出すということは、体内でコラーゲンを生み出す力が活性化されます。

コラーゲンを経口摂取すると消化はされるのか

コラーゲンを経口摂取すると、消化吸収の過程でアミノ酸に分解されると言われています。コラーゲンが分解されるとコラーゲンペプチドとなります。コラーゲンは、真皮層にある繊維芽細胞から作られますが、その繊維芽細胞を増やす働きの活性化が期待されています。

コラーゲンペプチドは、水に溶けやすく雑味がないため、飲料などに加えて手軽に経口摂取することができます。コラーゲンペプチドを経口摂取して、繊維芽細胞が増えればエラスチンやヒアルロン酸など、肌の弾力性を保ち、若々しい肌を手に入れるのに必須となる成分を増やすことができるのです。つまり、コラーゲンを作り出す繊維芽細胞を増やすことが期待できるのです。

経口摂取することで、消化管から素早く吸収されるというメリットがあります。消化管の中にはアミノ酸を吸収する取り込み口がありますが、他にもペプチドを吸収する取り込み口があると言われています。これらを経由してアミノ酸やトリペプチドがダイレクトに吸収されることを期待できます。