突然変な表現ですが、生きているからこそ健康という概念があり、生きるために不可欠で絶対の要素は「食べる」ことです。
食べ物を食べ水を飲み、食べ物を消化して栄養分を吸収することで人間などの動物は生存しています。
その食べ物の消化の一番最初に使われるのが「歯」です。
歯は顎(あご)の骨の歯槽骨(しそうこつ)に支えられ、歯根のまわりは歯肉(歯ぐき)で囲まれて強い歯を形成しています。
歯と歯茎の構造
この図は、歯と歯茎の構造です。
歯は、表面に出ている「歯冠」と、歯肉に覆われ歯槽骨に結びついている「歯根」に分けられます。
歯冠部の表面は「エナメル質」で、ダイヤモンドの硬度を10とすると6~7の硬度で水晶と同じくらいの硬さがあります。
エナメル質の内側が「象牙質」と呼ばれる部分で、エナメル質よりは軟らかくエナメル質が失われると象牙質は擦り減りますが、象牙質は加齢により増加しエナメル質が失われたところに新しく作られることがあります。
歯の中央部には血管や神経が侵入している「歯髄(しずい)」があり、象牙質を作り出しています。
歯の周囲にある組織の歯肉と歯根膜、セメント質と歯槽骨の4つは「歯周組織」と呼ばれています。
歯槽骨と歯のセメント質の間には歯根膜(しこんまく)という組織が存在し、これらが「シャーピー線維」と呼ばれる強靭な線維によって結ばれています。
そして、歯槽骨から歯根を覆うのが「歯茎(はぐき:歯肉)」で、歯を支えながら口腔内の異物や食べかすなどが歯槽に進入するのを防いでいます。
歯肉は、その大部分を占め歯肉繊維によってセメント質や歯槽骨に結合している「付着歯肉」、歯と歯の間の部分の「歯間乳頭」、歯冠と歯根の間に歯肉溝を形成する「遊離歯肉」などに分かれシャーピー線維によって結び付けられています。
コラーゲンと歯と歯茎の健康
こように、歯の健康には「シャーピー線維」が大きな役割を果たしていますが、シャーピー線維は「膠原繊維」とも呼ばれ、コラーゲンによって作られた繊維なのです。
そして、歯肉の約60%がコラーゲンだと言われており、歯茎の弾力や結びつきを担っています。
歯に関わる病気としては、虫歯以外には「歯周病(歯槽膿漏)」などがあり、歯肉のコラーゲン減少や劣化が大きな原因と考えられています。
歯周病では、歯周ポケットと呼ばれる歯肉溝の食べかすなどが栄養となって細菌が繁殖してプラーク(歯垢)が形成され、これらの細菌がコラーゲン分解酵素のコラゲナーゼを大量に分泌することで次第に歯茎が弱体化していくのです。
歯と歯茎の健康には、雑菌を増やさないための歯磨きと、歯茎の血行を良くしてコラーゲンの代謝を促進するための歯磨きがポイントとなります。
また、コラーゲンサプリメントなどでも歯茎でのコラーゲン代謝が促進されるのではないかということも研究されているようです。
そして、歯と歯茎の健康がそのまま体全体の健康につながることは言うまでもないですよね。
以上、コラーゲンと歯と歯茎(はぐき)の健康について解説しました。