コラーゲンサプリメントやドリンクがこんなに大きな市場となった要因は、何と言っても「お肌」のハリやシワに対する効果への期待でしょう。
当サイトでも触れていますが、
という、メーカーや販売者からの触れ込みによって需要が激増しました。
しかし、コラーゲンサプリメントの経口摂取はコラーゲンの補給にはほとんどならないということを当サイトでも解説しましたし、この正しい情報は広まりつつあります。
そんなコラーゲンと肌の関係について詳しく解説してみましょう。
肌(皮膚)の構造
人の皮膚は、広げると約1.6m2で重さは3~5kgあり、その平均の厚さは約1.4mmで、最も厚いのが足の裏で最も薄いのは瞼(まぶた)です。
肌(皮膚)の構造は以下の図のように、上から大きく「表皮」「真皮」「皮下組織(脂肪層)」の三層からなっています。
肝心のコラーゲンは、真皮の中で網状に存在し皮膚本体の強度と弾力を担っているのです。
表皮
表皮は体表から「角質層」「顆粒層」「有棘(ゆうきょく)層」「基底層」に分かれ、この四層のなかで絶えず細胞の生死が繰りかえされています。
一番表面の角質層には、汗腺から分泌される汗と皮脂腺から分泌される皮脂が程良く混ざった「皮脂膜」があり、角質層にたまった水分の蒸発を防ぐことによって皮膚の潤いを保持しています。
表皮で新しい細胞を生み出しているのは主に基底層で、生まれた細胞は上の細胞を押し出すように皮膚の表面に向かって移動していきます。
そして、角質層にたどり着いた細胞はやがて皮膚からはがれ落ちていき、その細胞の死骸がアカ(角質片)です。
皮膚の細胞が基底層で生まれて角質片となって死んでいく期間は、約28日と考えられています。
真皮
真皮は、表皮の基底層のすぐ下にある層で表皮の数倍の厚さがあり、皮膚の大部分を形成します。
真皮は、密なコラーゲン繊維の結合体の中に線維状の結合組織が広がっており、皮膚の強度や弾力を担い、タンパク質や糖質、ミネラルや水分を含む線維物質です。
また、真皮のなかには毛根や汗腺、皮脂腺神経やリンパ管、毛細血管などがあり、皮膚に酸素や栄養を送ったり、分泌作用をするなど大切な働きをしています。
さらに、真皮の中にはコラーゲン繊維を造る「繊維芽細胞」や免疫機能や炎症などに関係する肥満細胞(マスト細胞)があります。
そして、コラーゲンサプリメントの経口摂取によって運ばれた「コラーゲンペプチド」が線維芽細胞のコラーゲン生成を促すサインとなっているのではないかという学説があります。
皮下組織(脂肪層)
真皮の下で、皮膚と筋膜など下部の組織をつなぐ部分が「皮下組織」で、真皮と比べると繊維密度が低い結合組織です。
この皮下組織に脂肪の組織である「皮下脂肪」が多く存在し、栄養の貯蔵や体の保温をする機能を持っているのです。
以上、コラーゲンと肌についてでした。