糖尿病とコラーゲンの関係

今回は「糖尿病とコラーゲンの関係」について解説いたしますが、糖尿病も含めた高血糖がコラーゲンにもたらす影響として「糖化」がまず考えられます。

糖化とは、糖の一部が体のタンパク質のアミノ酸と反応してAGEs(終末糖化産物)といわれる老化物質が増えることです。

健常者であっても、タンパク質であるコラーゲンは加齢とともに糖化の影響を受け、代謝を遅らせる劣化したコラーゲンとなり老化の大きな原因となります。

糖化によって劣化したコラーゲンが増えることが要因と考えられる症状には、

などがありますが、高血糖の状態だとさらに糖化のスピードは増し、このような症状が進む可能性が高くなり、また糖尿病の合併症の要因となります。

このように、糖尿病とコラーゲンの関係があるのですが、一方で糖尿病を予防する成分としてコラーゲンが関係あるとする論文もあります。

ペプチドが血糖値を低下させる

糖尿病とは、血糖値が病的に高い状態である疾患です。

また糖尿病は、膵臓のβ細胞が何らかの理由で破壊されて、血糖を抑制する作用を有するホルモン「インスリン」が枯渇することで生じるⅠ型糖尿病と、血中にインスリンが存在するものの血糖値の調整ができないⅡ型糖尿病に分けられます。

そのインスリン分泌を促進しているのは「グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)」というホルモンで、糖尿病の治療または予防剤としても使われています。

また、GLP-1を不活性化させるホルモンに「ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)」というものがあり、GLP-1分泌を促進するためにDPPIVを阻害する薬も利用されています。

そして、コラーゲンを構成するいくつかの分子構造のペプチドにも、GLP-1の分泌促進活性やDPPIV阻害活性があることがわかり、糖尿病予防や高血糖の抑制に利用できるのではないかと研究が続いています。

今のところ、コラーゲンサプリメントとしては効果を標榜できませんが、特定保健用食品や新たな括りのサプリメントでの展開が期待されています。

以上、糖尿病とコラーゲンの関係についてでした。