美容情報に敏感な方は既にご存知かもしれませんが、「アロエステロール」という美容成分を森永乳業が2014年8月に発表しました。
アロエステロールとは同社が登録した商標名ですが、アロエベラの葉肉部位(ゲル)に含まれる5つの「植物ステロールの総称」としています。
植物ステロールは「フィトステロール」と呼ばれ、植物に含まれる抗酸化物質(フィトケミカル)のことで、細胞膜に存在している脂質の一種です。
一般的な植物ステロールはコレステロールの吸収を抑え、血中の悪玉(LDLコレステロール)の割合を下げる働きがあるとされ、健康油などの特定保健用食品(トクホ)にも使用されています。
一方、森永乳業のアロエステロールは他の植物ステロールとは異なり、抗肥満効果や抗糖尿病効果、美肌効果などの特徴を持つことを確認したということです。
また、肌状態の改善や体脂肪蓄積予防の用途特許も取得したとのことですから、2015年度からの健康食品の表示改正も睨んでいるのでしょうか。
アロエステロールの効果
アロエステロールの研究サイトで挙げている効果は主に4つ。
- 美肌効果
- 体脂肪蓄積予防と体脂肪の減少効果
- 血中脂質の改善効果
- 血糖値上昇抑制、インスリン抵抗性改善、抗糖尿病への効果
これだけの効果について、自社中心の研究ではありますが、ちゃんとした実験データに基づいて検証をしていますから、かなり力が入っています。
アロエステロールの美肌効果の根拠
前記の効果のうち2~4は特定保健用食品では既にいくつも商品が出ていますが、美肌効果についての特定保健用食品はまだありません。
もちろん、コラーゲンサプリメントも美肌を表現すると薬事法違反となるのです。
アロエステロールを使用したサプリメントもまだ特定保健用食品ではないのですが、成分としての美肌効果のメカニズムについて発表しています。
線維芽細胞の活性化
当サイトでも別項で解説していますが、コラーゲンやヒアルロン酸は皮膚では「線維芽細胞」で生成されます。
経口摂取されたアロエステロールは、肝臓を経由して真皮に到達し線維芽細胞に働きかけてコラーゲンとヒアルロン酸の産生を促すということを試験管で確認しています。
線維芽細胞内のコラーゲンとヒアルロン酸の合成酵素の遺伝子発現とコラーゲンとヒアルロン酸の産生量が増えたということです。
このような作用はコラーゲンペプチドでも既に確認されていますが、新しい健康成分として今後様々なサプリメントやヘルスフードに使用されて人気を得ることと推測します。
以上、アロエステロールの効果について解説しました。
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