前回「乾燥とコラーゲン」というタイトルで主に肌の乾燥とコラーゲンの役割について解説しましたが、肌を守る大切な成分として「セラミド」という成分が注目されています。
セラミドを配合したサプリメントや化粧品も最近増えてきました。
そんなセラミドとはいったいどんなものなのか、またセラミドにはどんな効果があるのかについて解説してみましょう。
セラミドとは
セラミドとは、脂質の一種で細胞膜に多く含まれ、肌では角質層の角層細胞間を満たし細胞と細胞や水分をつなぎとめる役割を担っています。
肌の大きな役割として、乾燥やほこりなど肌荒れを引き起こす外部刺激から肌を守る「バリア機能」がありますが、このバリア機能をきちんと働かせるための主役となっている成分がセラミドです。
セラミドで充分満たされた肌はバリア機能の働きが高く、外部刺激で肌荒れしにくい状態で、肌表面も潤ってキメが整っています。
しかし、セラミドが不足すると乾燥など外部刺激で肌荒れしやすくなり、肌表面も荒れやすくなったり、カサつきをくり返しやすくなってしまいます。
セラミドの効果
前記のように、セラミドは角質層を健全に保ち肌を守るバリア機能の主役として役立っていることはわかりましたが、サプリメントや化粧品での効果はどうなのでしょうか?
サプリメントのセラミド
サプリメントで使用されているセラミドは植物由来のものが多く、米や小麦、大豆やトウモロコシ、コンニャクなどが原料となっています。
植物由来のセラミドのなかでもセラミドにグルコース(糖)がついた「グルコシルセラミド」が主流ですが、原料の価格は非常に高く、サプリメントでの配合量は1日分に数百μg(マイクログラム:百万分の一グラム)であり、食品成分として実際に効果が期待できる量なのかは判断が難しいと考えられます。
ただ、いくつかの原料メーカーや製品メーカーは一定の効果を示唆する実験データを公表していますから、全く効果がないわけではないのでしょうね。
化粧品のセラミド
化粧品で使用されるセラミドの多くは化学的に合成された「ヒト型セラミド」と呼ばれるもですが、一部に醤油や清酒などの製造過程にできる発酵粕由来の「天然ヒト型セラミド」が使用されているものがあります。
化学合成されたものの中には、角質層に浸潤してセラミドと同様の働きをすると言われるものがありますが、一般的にはセラミドが外から肌に浸透するとは考えにくく、外側からの保湿成分のひとつだと言えるでしょう。
以上、セラミドの効果についてでした。