
コラーゲンは何が原料か知っていますか?コラーゲンの由来原料を知ることで、種類によってどのような効果があるのか、どの原料が1番良いのか知ることができます。
コラーゲンはコラーゲンペプチド
コラーゲンには色々な状態がありますが、多くのコラーゲンサプリではコラーゲンペプチドが使用されています。コラーゲンペプチドとは動物や魚のコラーゲンをゼラチンとして抽出し、そのゼラチンを酵素分解などで低分子化したものです。コラーゲンとゼラチンとコラーゲンペプチドは分子の結びつきの状態が違うだけで、成分の組成はほぼ同じです。ゼラチンは冷えるとゲル化してしまいますが、コラーゲンペプチドは冷えてもゲル化しないためドリンクやタブレットなどに加工しやすいことから、サプリメントに多く利用されているというわけです。
またコラーゲンペプチドは低分子であることから、食べ物に含まれるコラーゲンやゼラチンを食べた場合と比べて吸収性が良く素早く体のすみずみまで届けられ、肌や関節、骨などの全身で活用されます。
コラーゲン(コラーゲンペプチド)の由来原料の種類
コラーゲンペプチドの種類には「豚由来」や「魚由来」、そして少なくなりましたが「牛由来」、主にⅡ型コラーゲンに多い「鶏由来」「鮭鼻軟骨由来」などがあります。
また、その他には「スッポン」や「クラゲ」などもありますが、ごく一部の製品で使用されているだけのようです。
コラーゲンのサプリメントや化粧品の原料として使われているのは、やはり「豚由来」と「魚由来」がほとんどですが、魚由来は「海洋魚」「淡水魚」、「天然」「養殖」、「皮由来」「鱗(ウロコ)由来」と、その組み合わせにより種類が違います。
コラーゲンの豚由来と魚由来の違い
現在、主流となっているのは豚由来と魚由来のコラーゲンですので、その違いについて 解説します。
豚由来
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魚由来
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原料価格 | 一般的に安い(市場規模が大きい) | 一般的に高い(市場規模が小さい) |
におい | 一般的に「におい」は弱い | 一般的に「におい」は強い |
変性温度 | サプリメントやドリンクで使用されているのは「コラーゲンペプチド」であるため、変性温度は比較対象ではない。 | |
アミノ酸組成 | 大きく違うのは「ヒドロキシプロリン」の含有率で、豚由来の方が多く魚由来の方が少ない。 | |
消化吸収性 | アミノ酸までの消化分解は魚由来の方が良いと考えられるが、ペプチドでの吸収も含めると大差なし。 | |
安全性 | 国内で流通している原料コラーゲンペプチドは、まず安全性は高い。 |
原料価格
製品原価にも直結する原料価格は魚由来の方が高く、豚由来と比べて2倍から3倍となっています。この大きな価格差は品質や効果に関わる要因ではなく、世界中で流通している量が圧倒的に豚由来のゼラチンやコラーゲンペプチドの方が多いため、原材料調達や加工設備のコスト比率が違うためです。
また、近年の中国でのコラーゲンブームや北米や東南アジア、国内での需要増もあり、魚由来豚由来どちらも2015年ころから数年で20%~50%も原料価格は高騰しています。
におい
魚由来であれ豚由来であれ、コラーゲンには独特の臭いがあります。一般的には豚由来の方が臭いは少なく魚由来の方が魚臭が残っているものが多いようです。臭いや癖がない方がサプリメントにした場合に飲みやすいのは明らかですので、メーカーは臭いの少ない原料を選ぼうとします。しかし、臭いの強弱は豚由来か魚由来かではなく「精製度」によるものですから、臭いの少ない原料ほど価格は高くなる傾向です。
変性温度
コラーゲンの変性温度とは、不溶性のコラーゲンが水溶性のゼラチンに性質が変わる時の温度ことです。コラーゲン自体そのままでは人間の消化酵素ではほとんど分解できませんが、ゼラチンに変性されて初めて分解できるようになり消化吸収されます。
その変性温度は、豚を含めた動物性コラーゲンが約40℃~60℃くらいで、魚のコラーゲンは人間の体温より低い数℃~20度前後です。
消化吸収性
前記のように、コラーゲンのままではほとんど消化吸収できないわけですから、人間の体温より変性温度が低い魚の方が消化吸収性が良いといえます。例えば、肉の刺身を食べても含まれるコラーゲンは消化できませんが、魚の刺身であれば体温でコラーゲンがゼラチンに変性されて消化吸収できるということです。ただ、肉は通常は加熱調理して食べますから、肉汁に溶け出たゼラチンとして問題なく消化吸収されています。
サプリメントに使用されているのはコラーゲンが変性されたゼラチンを更に低分子化したコラーゲンペプチドですので消化吸収性にほとんど差はありません。なのにコラーゲンそのものの消化吸収性を持ち出して「魚由来の方が何倍も吸収性が良い」という誘導を多く見かけますが、正しくありません。
アミノ酸組成
コラーゲンはタンパク質の一種で18種類のアミノ酸によって構成されています。コラーゲンとゼラチンとコラーゲンペプチドは分子の結びつきの状態が違うだけで、アミノ酸組成はほぼ同じです。
そのアミノ酸組成で魚由来と豚由来の違いは「ヒドロキシプロリン」というアミノ酸の含有率です。豚由来の方が多く魚由来の方が少ないのですが、これが変性温度に大きくかかわっていて、「ヒドロキシプロリン」と他のアミノ酸との結びつきが解けにくいという特徴があることが分かっています。
安全性
魚由来と豚由来の安全性を比較して自社商品の優位性をアピールしている商品説明を見ることがあります。結論から言いますと、国内で流通しているコラーゲンペプチドはほぼ全て安全です。サプリメントはメーカーから依頼を受けた専門の受託会社が製造しますが、その受け入れには必ず原料規格書を確認し、ロット毎に試験成績書の提出を義務化しているからです。そこに故意の表示があれば違法ですし、遅かれ早かれ摘発されて退場していきます。
コラーゲンの由来原料まとめ
以上、コラーゲンの由来原料のなかでも流通量の多い、豚由来と魚由来の違いについて解説しましたが、みなさんが知りたいのは「サプリメント」についてだと思います。
販売者によっては自社製品をアピールするために豚由来と魚由来それぞれに曖昧な情報でデメリットを誇張していますが、信頼できるメーカーや販売者のコラーゲンサプリメントであれば、豚でも魚でも効果や品質に差はありません。
大切なのは「1日5g以上」と「継続」ですので、豚由来と魚由来にこだわらず、飲みやすくコスパの良いものを選びましょう。