コラーゲンの副作用について解説

コラーゲンの副作用

コラーゲンを摂取する上で副作用があるのかとても知りたいポイントだと思います。食べ物から摂取するコラーゲンは、今まで私たちが食べてきた牛肉や豚肉(昔はイノシシやシカなど)、鶏肉や魚などにも多く含まれています。

食経験が非常に長い成分ですから、日ごろの食べ物からコラーゲンを摂取する場合『基本的に副作用といわれるものはない』とされています。あるとすれば、それぞれの食べ物に対するアレルギーが考えられますが、食べ物に含まれるコラーゲンが原因なのか、それとも食べ物それぞれの違う成分が原因なのかは個々によって違います。

コラーゲンの副作用として一般食品添加物のゼラチンに対するアレルギーとタンパク質摂取制限との関係がありますので、説明していきます。

ゼラチンはアレルギー表示推奨

私たちが安全と認識してきたゼラチンであっても、アレルギー表示が“奨励”される食品となっていることは知っていましたか?ゼラチンは、食物アレルギー症状を示さない物質と考えられていましたが、ワクチン接種などが多い日本では、一部の方にゼラチンアレルギーの発症例があったのです。

アレルギー表示の分類

日本では、加工食品への表示が「義務づけられている」7品目と、加工食品への表示が「推奨されている」18品目があります。

表示が“義務”付けられている7品目は、「卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生」です。表示が“推奨”されている18品目は、「あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン」です。

食物アレルギーは、症状を持っている方には非常に深刻な問題であるため、原材料の情報は重要な意味があります。 

ゼラチンアレルギーとは 

ゼラチンを経口摂取した場合に、蕁麻疹、口周囲のかゆみ、発赤、紅斑などの症状が見られ、ごく一部の方にはアナフィラキシー反応が見受けられることがあります。

一般的に、ゼラチンアレルギーを持っている多くの患者はゼラチン含有食品でのアレルギーは起こしません。なぜなら、食品を噛み砕いてから、胃の中で分解された後に、腸で分解をされて吸収されるからです。

最近の研究では、消化器系酵素であるキモトリプシンなどが働いて、ゼラチンの抗原性を失わせていると言われています。ですので、口腔内でのゼラチンアレルギー反応を除けば非常に少ないと考えられます。

コラーゲンペプチドの推奨表示

サプリメントのほとんどで使用されているコラーゲンペプチドにも製品に表示する場合の推奨表示があります。

コラーゲンペプチドの原料であるゼラチンにアレルギー表示が奨励されることから「原材料名 コラーゲンペプチド(ゼラチンを含む)」という表示が推奨されています。

また、国内のコラーゲンペプチドを使用して加工食品を製造し、その製品のコラーゲンペプチド重量割合が1位の場合は、『国内製造』と表記することができます。海外のコラーゲンペプチドメーカーが製造して、国内で詰め替えた場合は『〇〇国製造』と表記しなければいけません。

タンパク質摂取制限の方は注意

コラーゲンはタンパク質の一種です。したがって腎臓疾患の方などタンパク質摂取制限をされている方はコラーゲンサプリメントやドリンクに含まれるコラーゲンペプチドの量をタンパク質として加えて管理していただく必要があります。

通常は標準体重1kgあたり0.6~0.8gに制限されます。体重60kgの方であれば36g~48gとなり、コラーゲンドリンクであれば1本に10g以上のものも多いので、計算に入れていないと治療効果が出ないといった副作用となります。

コラーゲンの摂り方

コラーゲンの1日の摂取目安量は5〜10gとされています。しかし、1日にコラーゲンを食事から5g摂取するには、それなりに量が多くなってしまうので太ってしまうという副作用が懸念されます。

食事からはゼラチン

食事から摂取されるコラーゲンは、生のままでは人間の消化酵素や体温ではほとんど消化できません。ですから、加熱することでコラーゲンがゼラチンに変性して消化できるようになります。変性とは、絡み合った3本のアミノ酸鎖が熱などによってほどけることを指します。

つまり、私たちが普段食べている食事では、コラーゲンがゼラチンに変性して初めて消化され吸収されます。ゼラチンはコラーゲンの状態が変わっただけで、構成されるアミノ酸組成はほぼ変わりません。

サプリメントからはコラーゲンペプチド

コラーゲンペプチドは、コラーゲンが熱などによって変性してゼラチンとなり、そのゼラチンを酵素分解で低分子化したものがコラーゲンペプチドです。吸収性も高く、ペプチドが持つ特性が健康に役立つ可能性があるということが最近の研究でわかってきました。

一般的に販売されているサプリメントで、「低分子コラーゲン」と表現されている物のほとんどがコラーゲンペプチドです。このペプチドとは、アミノ酸が50個未満2個以上のものがペプチドと呼ばれています。

肉や魚由来などのたんぱく質から作られるペプチドの中には、脂肪の燃焼作用や抗酸化作用の効果を認められるものが見つかっており、大豆などの植物性たんぱく質のペプチドの中には、コレステロールや血圧上昇の抑制作用などが期待できるものがあり、特定保健用食品や機能性表示食品として販売されています。

コラーゲンとゼラチンとコラーゲンペプチド

コラーゲンは、タンパク質の一種で体を形作る皮膚や骨などに多く含まれています。繊維状のタンパク質が3本集まって、螺旋の鎖構造をしています。

ゼラチンは、コラーゲンに熱を加えて3本のアミノ酸鎖がバラバラに変性したものです。ゼラチンは、水にも溶けますし体内で消化できるようになります。特性として、加熱すると水に溶け、冷やすとゲル化して固まります。

コラーゲンペプチドは、ゼラチンよりもさらに低分子化しているので素早く吸収することができます。コラーゲンの平均分子量は、おおよそ30万~36万、ゼラチンは数万~十数万ですが、コラーゲンペプチドは数百~数千と非常に小さくなります。

その理由は、ゼラチンを酵素で分解し低分子化しているからです。ゼラチン以上に水に溶けやすくなり、冷めると固まる(ゲル化)ことが無くなるのです。多くのサプリメントに利用され、吸収性も高く、コラーゲンペプチドが持つ特性が健康維持や美容目的などに製品化されています。

コラーゲンペプチドもゼラチンもコラーゲンの状態が変わっただけで、構成するアミノ酸の組成はほぼ変わりません。